ゲーム

人狼系ゲーム「グノーシア」が対面人狼プレイヤー的にも面白かった


PSvita・Nintendo Switchで発売中の「グノーシア」が面白かったという話です。
世の中が家で過ごす時間が多めの時期に、Switchでタイミングよく発売されたのが相まって、地味にレビューが増えているような体感でやや流行っているようです。

「グノーシア」ってどういうゲーム?

「グノーシア」は、同じ空間をループしながら、配役が毎回変わる人狼ゲームをやりつづけるゲームです。

主人公が乗った宇宙船に「グノーシア(人狼)」が紛れ込み、毎晩乗客を1人襲う。全員で相談して、毎日1人をコールドスリープ(追放)してグノーシア(人狼)を排除しよう。
という始まりなのですが、主人公であるプレイヤーとセツはなぜかそのゲームが終わってもループし、またゲームに参加させられてしまう。
「なぜループが起こっているのか」という謎に迫っていくことがこのゲームの本筋になります。

ゲームは簡単で、シンプル


ゲームの流れは、
1.議論時間
2.投票時間
3.小休止
4.夜時間
を1日としてこなします。

・グノーシア(人狼)の勝利条件を満たす
・乗客(市民)の勝利条件を満たす
・プレイヤーがコールドスリープ(追放)される
こちらのいずれかを達成した段階で1ループが終わります。

一般的な人狼ゲームとほぼ同じ内容ですが、追放を終えた後に各キャラクターとコミュニケーションを行う時間が存在している点が違います。
このゲームは、登場人物たちの特徴やエピソードを探ることも必要となります。コミュニケーションをとることで、登場人物の人となりを聞けたり、議論に有効な発言方法を教えてくれたり。

議論はどうやってするの?


本来人狼ゲームでの議論は「Aさんが霊媒結果で人狼と出た。AさんをかばっていたBさんも人狼なのではないだろうか。投票を見ても不自然だ」と様々な要素を拾ってそこから「人狼・市民である」と推測し議論を進める。
しかしゲームということで、こういった議論はできず「Aを疑っています」「Bをかばいます」「Cの提案に同調します」というような簡易的なコマンドで進行していく。この意見をどうやって通すかというと、プレイヤーのパラメーターが影響します。
プレイヤーのカリスマ性が高ければ、自分の発言の影響力が高くなり、議論の場を強く支配することができます。
ステルスが高ければヘイトが集まりにくくなりますし、かわいげが高ければ自分への投票が集まりにくくなります。

あっさりとしたシステムだからこそ「ドクター(霊媒)をローラーしようよ!」という意見も言えずドクター(霊媒師)が3人出ているにも関わらずグレーから吊っていくという進行が起こります。
そうかと思えば、グノーシア(人狼)同士の身内切りなど高度な投票をされてそこに困惑させられることもあります。

配役は基本的な役職が揃っています

役職は一般的な内容です。

・グノーシア(人狼)
・AC人間(狂人)

・乗客(市民)
・エンジニア(占い師)
・ドクター(霊媒師)
・守護天使(ボディーガード)
・留守番(共有者)

・バグ(狐)

人狼をちょっとやったことある人なら、すべての役職がわかるかと思います。
市民役職だけではなく、人狼・狂人・狐ができるのがかなり嬉しいポイントですね。やってみて面白かったのは狂人。手がかりが少ないゲームなので難易度が普通の人狼ゲームよりも高いです。

キャラが魅力的

登場人物はルックスがかなり奇抜で、パラメータに依存したちょっと尖った性格付けがされています。


ロジックに特化したラキオは、男性でも女性でもない「汎」という性別。ロジックに特化しているため場の流れを大きく作るのですが、他の登場人物からの風当たりが強いためすぐに追放されます。
吊られるときに悪態をついていくのがかわいいです。


しげみちは明らかな宇宙人でコミカルなキャラクター。
いわゆる顔吊りでヒントの少ない初日につい投票してしまいますが、カリスマ性が高く場の流れを良くも悪くも形成します。議論中に雑談を主導して議論をぼかしてくるので、プレイヤーのヘイトをかってきますが、憎めない顔をしてくるので許してしまう。

このゲームは人狼千本ノック


対面人狼2年目なのですが、対面とは違う部分が多くてこれはこれで難しい感じます。
喋る内容がシンプルなのでどういった意図で発言しているのか把握しかねることがあります。投票に重点をおいて確認していても、キャラクター同士の関係性で投票が偏ってしまっていることも。登場人物の人となりを見ながら人狼的な推理もして……というメタ推理必須な立ち回りを最終的には行っていきます。
「実際の人狼ならやりようがあったなー」と思うシーンがありますが、「よくよく考えれば実際もこんなものかもしれない」とリアルとゲームを照らし合わせて、人狼体験として意外と濃厚。
「AがBをかばった」というわかりやすいテキストと投票結果で情報を簡単に把握できるので、人狼千本ノックのような強制人狼トレーニングゲームのような気がします。

ただし、霊媒ローラーをしなかったり決め打ち進行を初日からはじめたりと納得できないプレイングがたまにあります。それはそれと聞き分けてゲームを進行する優しさも必要。

本筋のストーリーも楽しみつつ、人狼を短時間にライトな感覚でプレイできるのが魅力の本作。価格も手頃でゲーム自体がシンプルな作りなので、普段ゲームをプレイしない人でもわかりやすい構成になっています。

グノーシアはダウンロード版で2,750円。1プレイ15分程度で、総プレイ時間10~20時間の軽くプレイできるシミュレーションゲームです。

ちなみに127ループでクリアしました。