最近、クラウドソーシングサービス系サイトでのイラスト制作の募集にYouTube漫画の案件が増えています。個人的にSNSに相談が来ることもあります。フェルミ研究所など有名所がアクセス数が多く、書籍化などの話も見るようになりました。
過去にソーシャルゲームが流行って、カード一枚単価〇〇円で受注が大量に発生していた時期を思い出します。
最近のYouTube漫画の受注相場は?
最近のYouTube漫画のイラストレーター受注金額相場は1枚あたり1,000円です。一本のマンガ動画を作るのには15枚~30枚程度必要なので、1万5,000円~3万円が一本あたりの相場になります。
この金額を見てどう思いましたか?
「副業で3万円ならおいしい!」「3万円*月に4本受注で12万円なら得では?」
金額だけを見ればこう感じてしまうかもしれません。
結論からいえば、マンガ動画1本3万円は激安です。
作業工程をしっかり確認して
マンガ動画の作業工程は基本的には以下の通り。
受注
↓
シナリオ読み込み
↓
ラフ制作・提出
↓
仕上げ・カラーの制作提出
↓
セリフ打ち込み
↓
納品
アルバイトの時給でも1,000円もらえる仕事もあります。
上の内容を一枚あたり1,000円で実行できるようであれば受注しても問題ないですが、なかなか難しいと思います。
1,000円でも作業時間と報酬の釣り合いが難しいのですが、それ以下の依頼ももちろんあります。
制作の際のコツ・この単価で依頼した際の心がけ
一枚単価1,000円で受注した場合、クオリティを下げてください。
難しい構図は描かず、いわゆる顔マンガと呼ばれるような作りにします。背景はフリー素材を加工してください。シンプルで線はつながっていないような末端処理が雑なイラストで問題ないです。
カラーはメイン色に影を一色載せるくらいで大丈夫。
とにかく最初の作業の交渉が大事です。
正当な金額はどれくらい?
まっとうな金額を支払いたい・正当な金額で仕事をしたい場合は1枚単価をどれくらいで設定すれば良いでしょうか?
プロの漫画家は1枚単価1万円以上は必要です。
受注する側がアマチュアだと考えても優良な案件としたいなら1枚3,000円はほしいところ。
依頼する側はこの金額で募集すれば、かなり選びたい放題になるかと思います。
受注するときのコツ
受注するときに依頼を見るべきポイントが◯つあります。
金額はコマ単価か、枚数単価か、一本単価か
まず、金額は大まかに3種類の提示があります。
・コマ単価 1ページあたりにあるコマ数から金額が出るパターン
・枚数単価 1枚あたりいくらかから金額が出るパターン
・一本単価 動画を完成させる全内容を描ききっていくらになるか
この表記によってその依頼の価格が大きく異なるので確実にチェックしましょう。
修正・リテイク回数
単価が安い場合、無駄に修正がかかると大変です。修正回数は取り決めしましょう。
また、仕上げに入ってからのラフ段階でチェックした工程の修正を受けると大変になるので事前にお断りすることが大事です。私はラフ提出段階でメッセージで「この後にこの工程に関する修正が発生した場合、修正料〇〇円を追加で請求します」と伝えています。
クオリティに理解のあるクライアントか
「単価が安い場合、それなりのクオリティになる」
ここを理解しているクライアントかどうかを判断しましょう。
具体的には依頼の段階でそういった記述があるか、もしくは公開されているチャンネル動画を見て察することができるのでそこを見ましょう。
ちなみに、「おまかせします」が多いクライアントは地雷です。気をつけましょう
シナリオの構成
受注金額の内容にも関わりますが、シナリオをどんなふうに提出されるかもポイントです。
◯1P
1コマ
A「おはよう」
(手を上げて笑顔)
2コマ
B「おはよう……あのさ……」
(顔色が悪く落ち込んだ様子)
こちらのように細かく指定が入っているのがベストです。ページあたりにどのような要素を盛り込めばいいのかを明示してくれるクライアントであれば問題ありません。
低単価で制作するなら
イラストレーターは筆が速い人
低単価で受注しても良いイラストレーターは筆が速い人。世間に低クオリティのものを出すのが苦痛な完璧主義のイラストレーターには向かない仕事です。
1,000円でも利益を出せるほど筆が速くソフトにも理解している場合はバリバリ仕事をこなしてください。
クライアントは効率良く要領の良い人
クライアント側は安い価格でしか最初は出せないが、今後のチャンネル収益を見込んで効率よく制作を続けられる人には可能かと思います。
絵やボイス収録などに理解が薄く、安くても高クオリティを期待する人には難しいでしょう。
指示を出すために細かく気を使ってコミュニケーションを取れる場合は、継続的に作業してくれる作業者と仕事ができると思います。